退職理由が「自己都合」か「会社都合(特定受給資格者)」かによって、失業保険(雇用保険の基本手当)のもらえる日数・受け取り始める時期・総額が大きく変わります。 同じ条件で比較した具体例と、特定受給資格者・特定理由離職者の判定基準もあわせて解説します。
失業保険(基本手当)の1日あたりの金額(基本手当日額)は、退職理由に関係なく 退職前の給与と年齢で決まります。退職理由によって異なるのは次の3点です。
| 比較項目 | 自己都合(一般離職者) | 会社都合(特定受給資格者) |
|---|---|---|
| 給付制限 | 原則1か月(2025年4月以降の離職) 5年以内に自己都合3回以上は3か月 | なし |
| 所定給付日数 | 加入期間のみで決定 最大150日(20年以上) | 年齢と加入期間の両方で決定 最大330日(45〜59歳・20年以上) |
| 受給開始の目安 | 待期7日+給付制限1か月後 | 待期7日後(すぐ) |
給付制限の詳細(2025年4月改正の内容・教育訓練による解除など)は、給付制限の解説ページをご覧ください。
転職・引越しなど自分の都合による退職(定年・自ら更新しなかった契約満了も含む)の 「一般の離職者」は、雇用保険の加入期間だけで給付日数が決まります。年齢は関係しません。 なお、受給するには離職前2年間に加入期間が通算12か月以上必要です。
| 加入期間 | 1年未満 | 1年〜10年未満 | 10年〜20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|
| 給付日数(自己都合) | 受給資格なし | 90日 | 120日 | 150日 |
倒産・解雇・退職勧奨などによる離職(特定受給資格者)は、退職時の年齢と加入期間の 両方で給付日数が決まります。自己都合より最大180日多くなるケースがあります。 受給するには離職前1年間に加入期間が通算6か月以上必要です。
| 退職時年齢 | 6か月〜1年未満 | 1年〜5年未満 | 5年〜10年未満 | 10年〜20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
| 30〜34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35〜44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45〜59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60〜64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
※ 30歳未満で加入期間20年以上は現実上ほぼ存在しないため「—」としています。 詳しい給付日数表は所定給付日数表のページをご覧ください。
同じ条件(退職時34歳・直近6か月の平均月収30万円・雇用保険加入期間8年)で 自己都合と会社都合を比べます。賃金日額は30万円×6か月÷180=10,000円。 逓減式で計算した基本手当日額は概算で約6,207円/日(令和7年8月改定の計算式による。 実際の金額は離職票の記載内容で決まります)。
| 項目 | 自己都合 | 会社都合(特定受給資格者) |
|---|---|---|
| 所定給付日数 | 90日(加入1〜10年未満) | 180日(34歳・加入5〜10年未満) |
| 基本手当日額(概算) | 約6,207円/日(退職理由で変わらない) | |
| 給付総額(概算) | 約558,630円 | 約1,117,260円 |
| 給付制限 | 1か月(2025年4月改正後) | なし |
| 受給開始の目安 | 待期7日+約1か月後 | 待期7日後 |
この例では、会社都合の方が給付総額で約558,630円多く、 受給開始も約1か月早くなります。実際の差額はご自身の条件で異なります。失業保険シミュレーターで自分の数値を入力して概算を確認してみてください。
「自己都合」か「特定受給資格者(会社都合相当)」かの最終判定はハローワークが行います。 以下は代表的な基準の概要です。個別事情によって判定が異なる場合があります。
| 区分 | 主な該当ケース(概要) | 給付日数 |
|---|---|---|
| 特定受給資格者 | 会社の倒産(破産・民事再生等)、解雇(整理解雇・普通解雇等)、 退職勧奨・早期退職優遇制度への応募、賃金の2か月以上の未払いや 直前3か月で10%超の大幅な引下げ、労働条件の著しい変更(配置転換等含む)、 有期雇用3年以上の雇止め(本人が更新を希望した場合)など | 年齢×加入期間の表を適用 (最大330日) |
| 特定理由離職者 | 有期雇用の雇止め(期間3年未満・更新を希望したが更新されなかった場合)、 配偶者・扶養家族の転勤・疾病等に伴う転居で通勤困難になった場合、 医師の証明がある疾病・負傷、育児・介護を理由とした離職 (事業所に制度がない等)など | 多くは会社都合相当 (一部ケースにより異なる) |
| 一般離職者(自己都合) | 転職・キャリアアップなど自分の都合による退職、定年退職、 有期雇用の契約満了(自ら更新しなかった場合)など | 加入期間のみで決定 (90〜150日) |
「自己都合退職だが実態は会社都合に近い」と感じる場合は、ハローワークに相談することをお勧めします。 判定に不服がある場合は、審査請求(不服申立て)の手続きも可能です。
本ツールの計算結果は、厚生労働省公表の計算式(令和7年8月1日改定)に基づく概算です。 実際の支給額・給付日数・受給開始日は、離職票の記載内容や個別の事情により異なる場合があります。正確な金額は必ず管轄のハローワークでご確認ください。